ヘタレな俺の恋

ケンカがはじまりました!

佐山の車で、隣町まで行った

ガラッ
「婆さん!!」

学校と違い、雑な佐山



「薫! ちょっと…」


佐山のお婆さんが、俺らを外に連れ出した


「帰ってちょうだい!」

「はあ?婆さん!コイツが結の彼で
東京から、結を迎えに来たんだ!」

俺を指さし、言う


「あんたが!浮気者の彼氏ね!フンッ
いい気なもんだね!!」

「婆さん!!やめろよ!」

「薫は黙ってな!
浩一君、結ちゃんと別れなさい!」

「!!!」

「あの子が死ぬ前に」

「婆さん、どういうこった?」

「知ってんだろ?右手首?骨が見える程
切っちまって、毎日毎日やったんだろうよ?かわいそうに…
だけど…
親から貰った大事な体に何するんだいって
ギャンギャン怒ってやったから!!
生きてるだけでも、幸せと思えって!
言ってやったからね!」


「婆さん!!もっと言い方あんだろ!」

「あんたが、甘やかすからだろ!!
生徒は、自分の子供と同じだよ!
あ!いい歳して、彼女いないんだったわね?」

「るっせ!!
婆さんは、先生じゃねぇだろ!!」

「薫の生徒は、あたしの孫だよ!!」

「ボケてんのかばばあ!!」

「なんだと!あたしゃまだ73だよ!」




ガラッ!!



「2人とも玄関先で、うるさい!!
ケンカだったら、中でして!!
近所迷惑だから!! …… え?」


結と目が合った


「結」


「あれ?浩一くん、なんで?」



< 23 / 76 >

この作品をシェア

pagetop