ヘタレな俺の恋
「ごめん…
全部聞いた……
結を大事にするから!」


「別れたら、言って……
今は、同居人だから…」


「ごめん…そうだよな……」


「赤ちゃん……もう、いないから…」


「そっ……そっか」


ホッとしてしまった

そんな俺の態度に、結が言った


「瑠美さんと幸せになって?

あたし無理、浩一くんとは無理だよ

これからも、あたしに関わらないで

引っ越しのこともあるし、親に言わないとね?

あたしは、明日帰って言うよ」



もって何だよ!

「待って!まだ、ちゃんと話そう!」


「今まで、何度も話そうとしたよ?
だけど…
瑠美さんを選んだんじゃない!!
記念日も、誕生日も
最後にあたしを選んだのっていつよ?
はあ~
やだな……
重いのは、やめようと思ったのに……
ごめん…別れよう」


覚えている、結から何度も話そうと

時間を作ってくれって言われた

その度に、逃げた


こうなったのは……

全部、俺のせいだ


だけど…



「結が好きなんだ」



「ごめん…」



「結……」


ビクッと結が肩をあげ、俺の手を拒んだ


俺が、犯した罪は、今こうして自分に返って来た


愛おしくてたまらない、好きで好きで

大好きな結は……


俺を怖がり、震え、涙を流し


俺から遠ざかった拍子に、棚にあたった

棚から物が落ちた音で、佐山とお婆さんが

すっ飛んできた!

「どうした?」

震える結を見て、お婆さんが別の部屋に

連れて行く



「うっ……ふっ……俺…結に酷いこと…」

「森重…お前、暴力を…?」

「違う!いや… 違わない……犯したんだ
ケンカして……
子供は、その時の……」

「なんで…そんなこと…馬鹿だなぁ」

「結が……自分のこと…汚いっていうから……ムカついて……」


「だからって、馬鹿なことすんなよ!」


俺は、この世でただ1人守ろうと決めた

結を

自ら手放さなければいけない


こんな日がくるなんて


こんなことになって


結への気持ちがわかるなんて


好きなんだ


なんであんなに


酷いことをした





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