闘争少女【前編】完




『オオカミ……

お前はそれでも
名の知れた”賢い美しき野生の狼”なのか?


そんなことで手が出せない?
ふっ(笑)
言い訳もはなはなしいな……』



「………………っ…」





お互い動きを止め
ある程度の距離感を空けながら話しはじめる





『あの時の私も
今、目の前に居る私も全部本当の私だ…
そんなに今の私がショックか?


何も驚くことなんてない…
正直私もオオカミの正体には驚いた
でも少しはオオカミの気持ち
わからなくもなかったから
だから私は受け入れられた……


ただ目指すものが同じだったってだけ
その為にも私と闘ってほしい…』




「………………………」




ウルフは何かを考え込むかのように黙る


イスズはそれを見つめる






するとウルフが口を開いた




「わかったわ…
イスズがそこまでゆうねんやったら闘ったる」


『後悔はないんだな?』


「イスズは全くないみたいやけどなっ」


『それは心外だな…少しはあるよ』


「ほんまか?
なら、今から本気(マジ)で殴り合いや!」


『10分で終わらせてやる』









時刻は9:30を過ぎていた…

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