パラサイト・ラブ



海里は私がこうと決めたら譲らないのを知っている。だから納得はしていないものの、貴重品だけを持つと渋々出て行った。


彼の事だから泊まる場所に困ることはないだろう。きっと彼女の所へ戻るはず。


あとは海里がいつ取りに来てもいいように彼の荷物を段ボールに詰め込むだけ。もともと彼の物はほとんど置かれてないから簡単なものだ。


半年以上も一緒にいたのに、こんなに簡単に終わるなんて呆気ない。



「はは…。私は本当に馬鹿だ」



そう、私は夢を見てしまっていた。
このままいつまでも海里と暮らせる夢を。


こんな関係のままずっと一緒に居られるわけなどないのに…。


静まり返った部屋の中で私に去来するものは溢れる涙だけ。今日だけはおもいきり泣こう。
明日からはもう涙を見せないために。





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