最後のコトバ



今でも覚えている。

疲れ果てた虚ろな目で、あたしを見ながら言った。

何を思いながら言ったのかは、今になっても分からない。

我慢することを覚えてしまったあたしは、泣くことがなかった。

この言葉を聞いても、泣くことが出来なかった。


それからも、暴力は続いた。

暴力を振るうことがストレス発散になっているみたいだった。

毎日続く行為に、あたしは叫ぶ元気もなくなっていた。

我慢していた訳じゃない。

そんな気力がなくなっていただけ。


それでも、毎日家に帰って来るママに安心した。

子供ながらに、追い出されることもあると思っていたから。

残念なことに、それは徐々に現実となっていった。

ママの帰りが遅くなっていったんだ。

本来、夕方に帰ってご飯を作ってくれていた。

なのに、夜遅くなっても帰って来ない。

あたしが寝てから帰って来ては、一応お金を置いてあたしが起きる前に出て行っている。


殴られることはなくなったけど、独りぼっちになった。




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