最後のコトバ
「さぁ、降りて。車、停めてくるから」
どこに着いたかも分からないのに、彼女に急かされままに降ろされた。
どう見ても、誰かの家だ。
人の家なんて、ずっと行ったことがない。
一気に不安が増してしまった。
そのため、無意識に先に降りた彼の服の裾を掴んだ。
歩いていた彼を止めてしまったため、彼が振り返る。
「ここ……どこ?」
恐る恐る彼に聞いた。
けど、なかなか返事は返ってこない。
それどころか、全身の動きが止まっている。
あたしは、何か変なことでも聞いたのだろうか。
「何、見とれてんだよ」
車を停めてきたであろう彼女は、笑いながら彼の頭を叩く。