ずっと隣で・・・
家に帰ってきても昼間の須田さんの表情が気になって仕方なかった。
『僕が好きになる人はみんな僕の前からいなくなるんだよね・・・か・・・」
夕飯の準備をしながら須田さんの言った言葉が出てきた。

「なぁ~さっきから何ぶつぶついってんの?」
お風呂上がりの弦がバスタオルで髪の毛を拭きながら
隣に立った。
「ん?ちょっとね・・・あっ。これテーブルまで運んで」


夕食を食べ終えると二人で結婚情報誌を見ていた。
こんなにいろいろあると何がいいのか全く分からなくなる。
派手じゃなくシンプルな方がいいというのは決定している。
だから美鈴たちが挙げた教会も捨てがたい。式だけで後は
身内だけでこじんまりとした披露宴。
でもまだ漠然とした感じでなかなか決まらない。
ただ今日はそれよりも須田さんの事の方が気になっていた。
「ねぇ・・・須田さんって恋人いないの?」
「須田さん?・・・ん・・んー今はな・・・」
弦の表情が変わった。なんだか奥歯に物が詰まった様なそんな感じだ。
そんな顔されたら余計気になるじゃん!
「今はな・・ってどういうことよ」
「ん?ってか何で急に須田さんの事聞くんだ?何かあったのか?」

私は弦に今日の須田さんとのやり取りを話した。
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