キミじゃなきゃダメなんだ


「...頑張ったら、百合、応援してくれる?」

「もちろん!大声出して応援します!」

「でも、負けるかもよ?」

「ぜんっぜん大丈夫です!頑張る姿が格好いいんですから」

「....そう。わかった」


汐見先輩の表情がさっきよりも明るくなって、なんというか私は。

いや、よかったんだけど。よかったんだけどね!



「....今のは、マルにしかできない技ね」


横から、ボソリとチョコちゃんが呟いて、びくりと肩が跳ねた。

ひぃぃ、わかってるよ!わかってやりましたよごめんなさい!



「ヒサをそうやって操縦できるの、この世でたぶんマルちゃんだけだね」

「マル、見かけによらずやり手....」



やり手ってなんだ里菜ー!


私にしかできないってわかって言ったことがモロバレで、カァーッと顔が熱くなる。


当の汐見先輩は周りの声が聞こえていないのか、他所を見つめて考え事をしていた。




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