キミじゃなきゃダメなんだ
誤魔化したくなるのを堪えて、ぎゅっと手のひらを握りしめる。
....嘘つくな、私。
ちゃんと正直に言え!
「...あり、ます」
動揺を悟られないようにしながら、一生懸命声を出した。
「.....そう」
先輩の返事は、やっぱり短かった。
.....どう、思ったかな。
きっと、いい気はしなかったはずだ。
私は、恋を知らない訳じゃない。
今までの恋を、ちゃんと『恋』として見ていいのかはわからないけど。
でも、完全に『恋』じゃなかったとは言えないから。
私は、人を好きになったことがある。
なのに私は、先輩の告白を断った。
そして今も、宙ぶらりんのままにさせている。
こんなに格好いいひとを。
こんなに性格のいいひとを。
好きにならないわけがない、こんな素敵なひとを。
過去に誰かを好きになって、付き合いたいって思ったことだってあるくせに。
先輩からしたら、ショックに決まってる。怒ってさえいるかもしれない。
私が先輩の立場だったら、絶対怒ってる。
他の人とは付き合いたいと思えたのに、なんで自分とは、って。