キミじゃなきゃダメなんだ


.....あ。


その目。

切なそうな、苦しそうな、綺麗な瞳。



私のことが好きだって言ってる瞳。




「....せ、ん、ぱい」


か細い声が、目の前のひとを呼ぶ。

愛しくて、その視線を私だけのものにしたくて。


おもむろに、先輩の顔が傾いた。

だんだんと近づいてきて、状況を理解すると同時に、私の頭も冷静さを取り戻してくる。


....え!?


待って、待って、ちょっとまって。


こ、こ、これって、これって、え!?

うわああまってまって心の準備ー!

いや、つーかそもそもダメだろ!?


依然として先輩の手の力は強いまんまで、ここは一応お化け屋敷で。


.....なにより今の関係でするのは、ダメだー!!



「ちょっとまっ、て....!」


空いている左手で、思いきり先輩の胸を押した。

掴まれている右手のせいで上手く動けなかったけど、寸前でかわすことに成功した、けど。



< 366 / 549 >

この作品をシェア

pagetop