キミじゃなきゃダメなんだ


「今日は怒ってごめん。君にそのままでいてほしいとか思ってるくせに、たぶんこれからも、余裕無くなるときがあると思う。それで君を泣かせるかもしれない」

「....いいですよ。そのとき、ちゃんと話してくれたら」

「うん。....あと、いきなりキスしようとしてごめん。君の気持ちを何も聞いてないのに、拒否されて当然だった」


おおう。なんだなんだ、今度は先輩が謝る番?


「ええと...それは、えっと。と、友達の間は、まだ、その」

「うん。頑張って耐える」


が、頑張るのか。そこで。

『頑張る』と言ってムッとした顔をする彼が可愛くて、胸がギュッとなった。


そしてふと、部屋にあった時計を見て、びっくりした。

えっ!?


「先輩、もうすぐ七時です」

「え」


先輩も後ろを振り返って、時計を見ると『うわ』という顔をする。


お化け屋敷出たあと、しばらく無言で園内歩き回ってたしな。

それから水ぶっかけられて着替えたりしてたら、それなりに時間も経つだろう。

おまけにこんなに長話してたら、そりゃ三時間くらいなるわ。



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