キミじゃなきゃダメなんだ
だから私はまだ、嫉妬の念に駆られることはないんだけど。
「そーいえばねぇ。今日、松原先輩に聞いたんだけどぉ。あの女、汐見先輩と同じ委員会らしいよぉ」
チョコちゃんに叩かれた頭をさすりながら、里菜が言う。
同じ委員会?
なるほど。
でも汐見先輩がなんの委員会に入ってるのか知らない。そこもまた悔しい。
「てゆーか、里菜。あのひとのこと『あの女』っていうのやめなよ」
トンと里菜の額に人指し指を押し付ける。
里菜は「えー」と、不満げに頬を膨らませた。
「だって、マルの敵でしょ?じゃあリナの敵でもあるよ」
「敵とか、そういうのじゃないし。それに、たとえ私の敵でも里菜の敵にはならないよ。そういう同調いらないって言ってるでしょー」
「....うう。はぁーい」
私達三人の成り立ちには色々とエピソードがあるのだけど、話し出すと長くなるので割愛する。