キミじゃなきゃダメなんだ
「いやそんな....言えるわけないじゃん」
「まぁこれは付き合ってからでいいと思うけどぉ。マルから積極的に話しかけていきなよ~」
「そーよ。いつまでも受け身だと、汐見先輩もしびれ切らして、他の女のとこ行くわよ」
さっきまでチョコちゃんはさりげに里菜を叱ってくれてたのに、もう遠慮がなくなってる。まぁそろそろ気にならなくなってきたけど。
「せ....積極的に?」
「そ!マルだってさぁ、先輩ともっと仲良くなりたいーとか、もっと話したい~とか、ないの!?」
「.......」
ないわけじゃないけど....。
汐見先輩と会って話ができるのは、一日三回くらいが限度。
学年が違うとそんなものだ。
偶然会えたらラッキーみたいな。
もっと話しかけにいけば、もっと話せるのかな?
会おうとすれば、会えるのかな。
そしたら先輩、嬉しいかな。
先輩が実は嬉しいって思ってる時の顔、見たいな。可愛いもんな。
目をそらして、頬を少しばかり染めて。
『ふーん。そう』と言って、照れを隠そうとする先輩を思い出す。ちょっとニヤけそうになった。