キミじゃなきゃダメなんだ
「告白は?しないの?里菜、いっつも積極的だったじゃん」
中学の頃から、里菜は恋愛命、彼氏命の女だった。
顔も可愛いから、モテるモテる。
だけど彼女は、自分から惚れた男としか付き合わない。追われるより追うのが好きだと言う。
だからいつも積極的に行動してたのに。
里菜はふと目を伏せて、「うん」と呟いた。
「....好きだって言って、松原先輩の『その他大勢』になりたくないんだよね」
...その他大勢....?
私が首を傾げる横で、チョコちゃんは「あー、なるほどね」となにやら納得していた。全然なるほどじゃないよ!?
「何どういうこと!?」
「松原先輩って遊んでるイメージあったけど、やっぱ本当にそうなのね?」
「うん、そーみたい。手軽な付き合いがいいらしいよ。だから、本気で好きになっちゃった子は、きっぱり断ってるんだって」
「ふーん。誠実なんだか不誠実なんだか」
「...........」
ふたりの会話から、真相を組み立てていく。