キミじゃなきゃダメなんだ


つまり松原先輩は遊び人で、本気になっちゃった子は突き放しちゃうタイプで。

その『本気になっちゃった子』っていう大勢になりたくないから、里菜は告白しないでいる、と。そういうことか?


「.....た、大変な恋してるね、里菜」

「うん。でももう嫌になってきちゃったから、やめよーかなぁ」

「えっ、やめるの?」

「マルと汐見先輩見てたら、なんか羨ましくなっちゃった。リナも愛されたいよぉ、一途に」


お、おお.....

いやでも汐見先輩と私は、なんつーか特殊な例というか、憧れちゃいけないと思うんだけども。



「ねぇ、チョコちゃんはぁ?リナ、そっちが気になるぅー」


自分の話題に飽きたのか、これ以上聞かれたくなかったのか、今度は里菜が話題を変えた。

すぐにチョコちゃんの顔が怖くなる。


「....前も言ったけど、言うつもりないのよ、あたし。誰にも」

「冷やかされたくないってことぉ?それならリナ何も言わないよー。ただ聞いたいだけだもん」

「...........」


チョコちゃんが渋っている。

無言で見つめあうふたりを見て、真ん中の私は苦笑いした。




< 472 / 549 >

この作品をシェア

pagetop