キミじゃなきゃダメなんだ
アドバイスといっても、榎本先輩の情報を教えてくれたりしただけだ。
私が松原先輩にいちばん感謝してるのは、先輩の教室の前で泣いちゃったとき。察して、何も言わないでくれた。
五人でぞろぞろ校舎に入って、一年と二年の階をつなぐ階段で別れた。
汐見先輩は時おり、何か言いたげに私の方を見てたけど、結局何も言ってくれなかった。
なんだったんだろ。
三人で教室へ向かっていると、チョコちゃんがまず喋り始めた。
「汐見先輩って、ほんとにあんたのこと好きよね」
うおう。いきなり何を言い出すんだ。
「.....そ、そーだね」
「うわ、肯定したわよコイツ。自信満々ね」
「どう答えろと.....」
これはたぶん、否定しても仕方ないことだと思う。
汐見先輩が、何故かとても私を想ってくれてるのは事実だ。疑う必要もない。