キミじゃなきゃダメなんだ


アドバイスといっても、榎本先輩の情報を教えてくれたりしただけだ。

私が松原先輩にいちばん感謝してるのは、先輩の教室の前で泣いちゃったとき。察して、何も言わないでくれた。


五人でぞろぞろ校舎に入って、一年と二年の階をつなぐ階段で別れた。


汐見先輩は時おり、何か言いたげに私の方を見てたけど、結局何も言ってくれなかった。

なんだったんだろ。


三人で教室へ向かっていると、チョコちゃんがまず喋り始めた。



「汐見先輩って、ほんとにあんたのこと好きよね」



うおう。いきなり何を言い出すんだ。


「.....そ、そーだね」

「うわ、肯定したわよコイツ。自信満々ね」

「どう答えろと.....」


これはたぶん、否定しても仕方ないことだと思う。

汐見先輩が、何故かとても私を想ってくれてるのは事実だ。疑う必要もない。


< 479 / 549 >

この作品をシェア

pagetop