キミじゃなきゃダメなんだ



可哀想なくらい正直で、まっすぐな百合が。

この先どんな顔をして、どんな風に生きていくのか、見ていたい。それを支えたい。



僕も、彼女の明るくて優しい世界に触れて、もっとこの世界を好きになれたらいい。







『汐見先輩』


肉まんを食べ終わってから、寒い中駅のホームで電車を待つ。


さっきから、隣の彼女は上の空だ。

何か考え事をしているらしいから、僕もあまり話しかけないでいたんだけど。


『...なに?』

『先輩って、私のこと好きですよね』

『...そうだね』


それを、ちゃんとわかってくれてるのは嬉しい。

前みたいに、変に不安になられても困るし。

でも、ここまで直接確認されると、少し恥ずかしい。


百合はマフラーに顔を埋めて、白い息を吐いた。



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