キミじゃなきゃダメなんだ


百合を口説くのは、一種のゲームのようにも思えた。

だけどやっぱり、それなりに恥ずかしかったし、自分は何を言ってるんだろうかと冷静になったりもした。


でもその度に、僕と同じで恋愛に慣れていない百合が、真っ赤になったり狼狽えたりする。

それを見るのは楽しかった。


あんなに強い目で周りを見据え、場を変える彼女を、僕が振り回しているというのも、なんとなく僕の高揚感を煽った。


可愛い。


僕の想いが、彼女を困らせればいい。

でも、何故か彼女は自分に自信がないから、僕の想いがそれに繋がってほしい。


君にこんなにも、夢中になる男がいる。

好きで好きでたまらなくて、少しおかしくなってる男がいる。


そのことを知って欲しい。

そして受け止め、受け入れてほしい。



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