I先輩
「す」
―ギュッ
先輩の腕が、わたしの頭と腰にあって…今ってわたし、抱きしめられてる?
これじゃ…何も、言えない
「せんぱ…」
「俺、自惚れてもいんだよね?」
カズ先輩の顔を見上げると、少し赤くなっている気がした。
「ことりちゃんも、俺と同じ気持ちだって」
先輩の言葉に、わたしの思考回路はわけわかんなくなってる
どういうこと?
「先輩、それって…」
―チュッ
急に、唇にあたたかい感触
これは…キス?
ほっぺには何回かされたことあったけど、唇は初めてで…
「ごめん、嫌だった?」
黙っているわたしを見てカズ先輩が言った。
「いえ…あの…びっくりして…」
「慣れるよ、これからは」
そういって先輩はもう一度わたしに優しくキスをした