I先輩
 


行動だけじゃわからない

ちゃんとした言葉をもらわなきゃ、安心できない

わたしは自分が思ってるよりもバカで、欲張りだ。



「……っ…わかんない…です…
なんでですかせんぱい…」



自然と目から溢れてくる涙

これは、なんの涙?



「琴璃ちゃん
俺、好きな子にしかキスしないよ?」

「うそだぁー」



だって、キスは先輩のクセじゃん

誰にだって、するんじゃん

先輩は困った顔をして笑った。



「わかってくれるまで、何回でもするよ」



そう言って先輩は何度もわたしにキスをした。

何度も何度も…



「好きだよ」



待っていた言葉が、やっと聞けた。

両思いって、こんなにあったかくて、幸せなんだ…



「わたしも、です」



大好きな人と大好きな場所に二人

わたしは今、すごく幸せ


< 83 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop