I先輩
だって千彰先輩とも、たか先輩とも
少なくともわたしは"他人"じゃないんだから
「たか先輩、きっと千彰先輩と仲直りしたいって思ってるはずです!」
「あー…もう、その話終わり」
千彰先輩は頭をかきながらドアに手をかけた。
「頼むから、ほっといてくんね?
俺は話し合う気なんかないから」
そう言うと千彰先輩は部室を出て行ってしまった。
「千彰先輩っ…!」
「…まぁ、本人があー言ってんだし、今はほっときなよ」
カズ先輩はそう言うと、パイプ椅子に深く腰かけた。
わたしも静かに机をはさんで正面の椅子に座った。
「……ねぇ、ことりちゃん」
机の上で手を組んで、ボソッとカズ先輩が言った。
「スキの反対、って…なにか知ってる?」