I先輩
 


好きの反対…?



「嫌い…ですか?」

「ぶっぶー!」



先輩は人差し指を自分の唇に押し付けて言った。



「"キス"」

「…っ……!?////」



なに言って…

一気に顔に熱が集まってくるのがわかった。

きっと今、わたしの顔は真っ赤



「人間ってのは、スキで心を求めて
キスで身体を求める、そーゆー生き物なんだって…千彰の名言★」



先輩がニカッと笑って言う。

今日はいつものカズ先輩の笑顔よりもっとずっとドキドキする。



「俺はどっちも欲しいって思う
ことりちゃんの全部。」



欲張りかなぁ?と先輩は付け足した。

わたしは首をブンブンと横に振った。

だって、わたしも同じだから。



「まぁ、否定されても全部奪うから覚悟しといて」



言葉だけじゃ足りなくて、行動で示す

行動だけじゃ足りなくて、言葉で示す

人はなんて欲張りなんだろう

どっちかなんて選べない
だからどっちも欲しいんだ


先輩の全部が欲しい

だからわたしの全部を…先輩にあげる


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