花明かりの夜に
伸びた太刀の向こうから掛けられる、刀に似合わぬ涼やかな声。


(……え?)


刀の先に目をやると。

少し開かれた御帳のすきまから、寝床の掛け物からのぞくむきだしの肩が見えた。

その肩に、つややかな黒髪がさららと流れかかる。


「あ……」


(あれは……)


自分の失敗に気づいて、とたんに血の気がさぁぁっと引いていく。


(しまった……

若さまが、まだお休みだったなんて)
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