天然王子
 

佐竹がニッと白い歯を見せて笑った。


「な…!」

「愛し合っちゃってるもんね俺ら♪」


そう言って佐竹が紗和の肩を組む。

紗和の顔は真っ赤で…否定しないってことは……


「えーー!!!ちょっ、いつの間に!?おめでとう!え、さわ告ったの!?えぇ?マジで!?なんでっ…」

「お前いっぺんに色々しゃべりすぎ」


だって…だって!!

紗和と佐竹が!!
付き合ってたなんて!!


「ごめんハル実は昨日…」


申し訳なさそうに紗和が言う。

こんな紗和はなんだか珍しかった。

あれか!肝だめしの時か!?

なかなかやるな最近の若い子は…って、タメだけどさ。


「まぁ、おめでとう…紗和
こんなんが彼氏って、自慢できなくて可哀想なんて1ミリも思ってないから」

「いや思ってるよね!?確実に!!」


なんだよ、佐竹。

紗和泣かせたら…千切って鍋で煮込んでやる。

でもなんかまずそうだな…


「時田ちゃん、今なんかヒドイこと考えてなかった?」


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