幼馴染み~初恋物語~
文化祭が行われる11月に向けて、忙しくなってくる10月初旬。

「おい…………ジュースを買ってこい…………」

「はい…………」

櫻と龍聖の関係は恋人のようなものではなく、主従関係のようなもの。

「隣のクラスに行って、教科書借りてこい。制限時間5分な?」

「あっ!!はいっ!!行ってきますっ!!」

相変わらず冷たい視線で命令する龍聖から、お手伝いさんのような扱いを受ける日々が続いている。

櫻のクラスの文化祭の出し物はクラス全員で踊るダンス。

放課後になると、クラスの全員が残って練習するため、部活へ行くのはクラスによってバラバラになる時期。

櫻はダンスの練習が終わると、窓の外を見た。

和樹がグランドで楽しそうにサッカーをしている。

「こっちにパスを出せーっ!!」

パスを貰った和樹がシュートを決めると、部員が集まってきて、拍手をしたり、和樹の肩を叩いて談笑している姿が見えた。

これで…………

良かったんだよね…………

和樹の笑顔と引き換えに、龍聖と付き合っている櫻は、2週間過ぎても心が晴れないままだった。


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