幼馴染み~初恋物語~
その日の夜の8時頃。

部屋で文化祭のダンスの練習を鏡の前でしていた時、携帯が鳴った。

「誰だろ…………?」

相手は龍聖だった。

「もしもし…………」

「俺だけど、撮影の帰りで、お前んちの近くの公園にいるからちょっと出て来いよ?」

「えっ?今…………?」

「待ち時間3分な?来なかったら、和樹をサッカー部から追放だからな?プープー」

「ちょっ…………ちょっと…………」

櫻はもうお風呂にも入って、パジャマがわりのキャミワンピ姿で、外で人に会う格好ではなかった。

それでも、和樹がいじめられて、サッカー部を追い出されたら困るので、龍聖の言いなりになるしかない。

慌てて玄関を飛び出した櫻は、全力で走って公園に到着した。

この俺様の態度は何…………

いつもいつも…………

私は龍聖君のお手伝いさんじゃないんだから…………

いつもそう思っているが、お昼休みにジュースを買いに行かされたり、授業で忘れた教科書を隣のクラスの女の子に借りて、返しに行くのも櫻の役目だった。

「あの…………何か用ですか…………?」

公園で待っている龍聖に話しかける櫻の言葉が、さらにお手伝いさん風に感じるのだった。

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