幼馴染み~初恋物語~
「や…………やだ…………」

脅えた小さな震える声で言った櫻は、間一髪のところで龍聖のキスを交わし、体を丸めてノートを大切そうに抱えたまま、その場でしゃがみこんだ。

キスは特別…………

好きな人じゃなきゃ…………

こんな恋愛ごっこでは、できないよ…………

プルプルと体を震わせている櫻に、龍聖が見下ろしたまま言った。

「ノートを落とさなかったから合格…………でも次は逃がさねぇから…………。
今度俺の言うことを聞けないなら、マジで和樹が2度とサッカーができない体にしてやるからな?」

そのまま櫻を脅して去っていく龍聖の背中を、櫻は眺めているしかできなかった。

次は逃がさないか…………

龍聖君とキスするのは嫌…………

でも、和樹君が怪我をさせられるのはもっと嫌…………

助けてよ…………和樹くん…………

「もうこんなの無理だよ…………しく…………しく…………ひっく…………」

一人しかいない夜の公園で、櫻は泣き崩れた。


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