幼馴染み~初恋物語~
必死に目を閉じて唇を噛み締めている櫻の顔を見て、龍聖が思わず吹き出した。

「フフっ…………キスしてほしかったら、もっと可愛い顔をしろよな…………?」

「キスしてほしいなんて…………思ってません…………」

否定したものの、櫻の顔はぼんやりと虚ろな目をしていた。

今…………

ドキドキしてた…………

その後すぐに、ブンブンと頭を横に数回振って、自分自身に否定の言葉を並べる櫻。

ドキドキしたのは、誰かに見られるかもしれないから…………

私は和樹君一途だもん!!

少しも龍聖君を好きだなんて思ってないからっ!!

カーテンの中で動揺している櫻は、龍聖の綺麗な瞳に流されたのか、人に見られてしまう不安からなのか、和樹への罪悪感なのか、自分自身でもわからなかったが、鼓動が激しかったのは事実。

そんな櫻の頭をポンポンと叩いた龍聖。

「ナマズみたいな顔してたぞ?さっきのお前…………」

そう言い残して、先に龍聖がカーテンから出ていった。

「むぅ…………ナマズとかひどい…………あんな人…………最低…………」

とりあえずキスは免れた櫻は、安堵した表情を浮かべて、カーテンから出てきた。

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