幼馴染み~初恋物語~
放課後の帰り道。

今日は櫻も和樹も部活を休んだ為、比較的早い下校時間。

「劇の主役をいきなりやるとか、無茶を言うよな?道具係の中でじゃんけんして負けたんだけど。それにしてもキツいよなぁ?」

和樹が話していても、櫻は上の空。

思い浮かぶのは、カーテンの中での龍聖の事。

好きでもないのに…………

キスしてほしいなんて思ってない…………

なんでドキドキしてたんだろう…………

健一先輩と一緒に乗った観覧車の時も、カラオケでキスをした時もドキドキしていた。

その時は健一が好きだったから、当然緊張もするし、嬉しさも感じていたと思う。

しかし今回は嬉しくなんてないはずなのに、ドキドキしていた事を不思議に思っていた。

「聞いてんの?」

「あっ…………」

ふと気付くと、和樹が櫻の顔を覗き込んでいた。

「何をボーッとしてんの?」

「あ…………あぁ…………な…………なんでもないよっ!!」

ただ目の前に和樹の顔があっただけなのに、龍聖とカーテンであった事を思い出して、赤面してしまう櫻だった。
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