白いジャージリターンズ~先生と私と空~

「おう!隆介!相変わらずクールだな」

玄関から聞こえた先生の声に、私とゆかりは振り向いた。

「きゃあ~!やっぱりかっこいいよね、隆介!」

とゆかりまでもが興奮。

私は、隆介君のふてくされたような態度の裏にある照れた笑顔が好きだったりする。


「お邪魔します」

ぺこりと頭を下げる隆介君の横にいる美亜ちゃんも幸せオーラ満開で、お似合い過ぎる。


「直ちゃん~!ゆかり!久しぶりだね。結婚式の返事ありがとうね」

「いよいよ1カ月切ったよね~!美亜ちゃんのドレス楽しみだぁ」

「美亜と隆介君、和装も似合うだろうなぁ」

ゆかりの言葉を聞いて、想像してしまう。

隆介君の真っ黒な袴姿。

確かにかっこいいに決まってる。


「直ちゃん、チーズフォンデュって聞いたからフランスパン持ってきたよ~!これ、良かったら食べてね」

「先生、これ、飲みます?」


美亜ちゃんがフランスパンを、隆介君がシャンパンを持って来てくれて、あとは龍と依子を待つだけ。


「空君、どっちに似てるんだろう?」

美亜ちゃんは空を抱っこして、まじまじと顔を見つめる。

空は、人見知りもせず、特に女の人には愛想が良い。

「私とふたりでいると、ママ似だねって言われるんだけど、先生と一緒にいるとパパ似って言われるの」

どちらにも似ていると言われるけど、私は知ってるんだぁ。
つむじの位置、毛先の癖、足の爪の形。

先生に似てる所がたっくさんある。

日焼けすると真っ黒になる所。
笑う時に、眉毛が下がる所。

大好きな先生に似ている所を探して、嬉しくなっちゃう私なんだ。

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