俺様富豪と甘く危険な恋
「本当に大丈夫でしたか?」


トニーの問いかけに栞南はこくんと頷く。


「頬と足の裏が少し切れています。消毒しましょう。他にけがは?」


トニーは栞南が右腕を押さえている左手に気づき、袖をそっとめくる。


「あざになっています。これはレントゲンを撮った方がいいです」

「ううん! 大丈夫だから。このことは朝日奈さんに言わないで」


すべては自分が引き起こしてしまったことだと栞南は反省している。

ボディーガードたちは自分のことを尻軽女だと思っているだろう。出会って間もない男といとも簡単に寝たのだから。


「言わないわけにはいきません。奴は戻ってこないでしょうし、いない理由をただ出て行ったと言って嘘をつくより、正直に話します。レイプはされていないんですよね? それなら正直に話した方が今後のためにいいと思います」


栞南のそばから離れるなと命令をされているにもかかわらず、こうなってしまいトニーは辞めさせられるのも覚悟で報告するしかなかった。


< 135 / 369 >

この作品をシェア

pagetop