俺様富豪と甘く危険な恋

突然の幸せ

「ここにチェックインしている。部屋へ行こう」

「レンさま、こちらです」


ダニエルが2人の前に立ち、エレベーターへ案内する。


「レン、あと5歩ぐらいでエレベーターだからね」


栞南は蓮がぶつからないよう言った。


「ああ……」


腕は組んでいるものの、蓮はしっかりした足取りで歩いている。その姿に栞南は安心する。

エレベーターに乗り込むと、ダニエルが泊まっている階を押した。

最上階のスイートルームの前まで来ると、ダニエルは栞南にカードキーを渡し、部屋に入らず去っていく。

蓮と残された栞南は不安そうにダニエルの後姿を見ていた。


「栞南?」

「あ、うん。この部屋だね」


カードキーに記されている部屋の番号とドアに記された番号を確認して、カギを開ける。これからふたりきりになると思うと、栞南の心臓がドキドキ暴れ始めていた。

小さくカチッという音で施錠が解かれ、ドアを開けて中へ入る。
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