俺様富豪と甘く危険な恋
蓮の腕に抱かれていた栞南は肩を跳ねらせ、松明の方へ顔を向ける。

するとジェシカが松明のそばでダンサーに支えられ倒れているようだ。


「ジェス!」


ソフィアがイスから立ち上がり、慌てて松明の方へ駆け寄る。蓮と栞南もジェシカのもとに駆け付けた。


「大丈夫です。やけどはしていません。酔っぱらったようです」


ジェシカを支えているダンサーのひとりが心配するソフィアに言う。


「本当に? 大丈夫なの?」


ソフィアは心配そうな顔で、ジェシカの髪の毛で隠れた顔をよく見ようと撫でつける。


「ジェス? ジェス?」


呼んでも目は覚まさず小さく「ううん……」とジェシカからうっとおしそうに聞こえてきた。


蓮は片膝を砂地につけて、ジェシカの呼吸を確かめる。


「トニー、部屋に運んでくれ。ダニエル、彼らに引き取ってもらってくれ」


蓮はジェシカの全身に視線を走らせ、酔っぱらっただけでなんでもなさそうだと判断すると、トニー運ぶように指示した。

トニーはダンサーの腕からジェシカを受け取り、家へ向かう。その横にまだ心配そうなソフィアがいた。

< 331 / 369 >

この作品をシェア

pagetop