俺様富豪と甘く危険な恋
「何がそんなにおかしいんだ?」

「ジェシカさん、ダニエルさんの逆鱗に触れちゃったみたい。私のためだと思うけど」


栞南はさきほどまでの一幕をこみあげてくる笑いを堪えながら蓮に話した。


「ダニエルはジェシカがプルトップを開けると思ったんだろうな。まさか爪が欠けそうだからとお前に頼むとは思わずに。お前とダニエルの思考が似ていることが今分かった」

「私とダニエルさんは全然似てないよ」


沈着冷静、いつもポーカーフェイス、なんでも簡単にささっとこなすダニエルと自分では似ても似つかない。

栞南は首を左右に振る。


「いや、お前だって俺にビールの泡だらけにしただろう?」


レパルスベイのベンチでのことを思い出し、そんなこともあったなと懐かしく思い出した。


「あの女が好きだとは、ソフィアの趣味が分からなくなった」

「ジェシカさんが可愛くて仕方ないんだと思うよ」


蓮は思い出す栞南の額に唇を落とす。


「ビールの匂いで酔いそうだろう? シャワーを浴びてこいよ」

「うん。入ってくるね」


にっこり笑みを浮かべた栞南は蓮から離れ、バスルームへ足を向けた。

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