俺様富豪と甘く危険な恋
食事が終わりチーズなどのおつまみでワインを楽しんでいると、蓮の隣に座っていた栞南がひとりプールサイドのイスに座っているソフィアのグラスに注ぎに立つ。


「風が気持ちいいですね。ワイン、いかがですか?」


栞南はテーブルを挟んだ隣のイスに腰をかけると、ソフィアのグラスに真紅の液体を注ぐ。


「カンナ、ありがとう。なんかのんびりしちゃうわね。あ、今日動物園で赤ちゃんの服を買ったってレンが言ってたけど」

「え?」


ロンパースを買ったことを話しているとは驚きだった。


「レンは家族を欲しいんじゃないかしら」


ソフィアはふふふと栞南に笑みを向ける。


(そうなのかもしれない。ご両親を失くして、血のつながった家族はいない。私の両親を大事に接してくれていたし……)


ソフィアの言葉に栞南の胸がきゅんと痛くなった。目頭が熱くなって、ちらりとダニエルたちと話をしている蓮に瞳を向けた。

きっと子供に愛情をたっぷり注ぐ良いパパになりそう。最初に出会った頃はとっかえひっかえ女性と遊ぶ危険な男に見えたからそう思わなかったけれど、今なら100%自信を持って確信している。


「もうカンナのお腹に新しい命がやどっているかもしれないわね」


そう言われて栞南の手は平らな腹部をそっと押さえていた。


「ふたりが幸せそうで私は本当にうれしいの」

「ソフィアさんも幸せになってくださいね」

「ええ」


ソフィアはやんわり微笑んだ。それはジェシカなのだろうかと栞南の頭によぎった。


(同性しか愛せないということは、人生においていろいろな難題、困難が待ち受けているのかもしれない)

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