俺様富豪と甘く危険な恋
「私はレンを愛している」

「まあ、彼のようなすべてを持っている男なら、あなたは跪いてでも離れないでしょうけど。私だって彼に抱かれたいと思うし」

「えっ……?」


(今、彼に抱かれたいって言った?)


「ジェシカさん、あなたはレ、レズ――」
「レズビアン? 違うわ。まあキスぐらいなら誰とでも出来るけど」


ジェシカは肩をすくめて栞南にゆっくり近づく。


「ソフィアさんを騙しているの?」

「騙しているだなんて、幸せな時間を提供しているだけよ」


栞南は無性に腹が立ってきて、からかうようにバカにした笑みを浮かべたジェシカに手を上げていていた。

パシッ!――


「ソフィアさんと別れて!」


栞南の力ではそれほど痛くなかったのだろう、頬を軽くさすりながらジェシカは微笑む。


「嫌よ。ようやくなんでも買ってくれる人に出会えたんだもの」

「ひどい人……」

「ソフィーの気持ちを考えたら、あなたは彼女に話せないわ。わかったら黙っていることね。ソフィーの幸せが崩れるのよ」

「もう何も言わないでっ! ここから出て行って!」


栞南は耳をふさぎたくなった。混乱してベッドの端に座り頭を振る。

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