マルボロ・ヒーロー


「…お前、頑張ったなぁ」


ヘルメット越しに目線を合わせた後
その子にしか聞こえない、小さな声で語りかけた。


こうして近くでよく見てみると
目の垂れ具合となだらかな頬の曲線が、彼女によく似ていた。




かつて一番大切だった人の息子が
今、ジッと俺を見つめている。


彼女は、彼女の人生を歩んでいる。
俺じゃない誰かと一緒に。


そんなの、当然予想できたはずなのに。

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