シークレット*ラブ
『プログラム三番は五年生による紅白対抗リレーです』


「さてと…みなみ~ビデオ取り頑張らないとね」


私たちの気持ちは
すぐに女から母親へと戻りビデオを持つ手に力が入る。


瑠実たちが軽快なリズムの音楽に合わせて入場してくる。


その様子を目で追いながらちょっぴりドキドキでビデオのスタンバイをする私。


「舞~緊張してきたわ…」


「ほんま、バトン落とさへんかなぁ~?」


頑張れ!瑠実!
と目をつむって小さな声でつぶやきながらスタートを見守る。


毎年私たちは、大抵この場所で一緒に他のパパさんたちに紛れてビデオ撮りをしていた。


子供たちの頑張っている姿を、ビデオのファインダーから必死で見つめて


そして
いつも子供たちの頑張っている姿に熱いものがこみあげてきて

感動させられている。


いつも走った瞬間にもう涙で瞳がうるんでくる私。


ママは泣き虫やなぁ~

っていう子供たちの声が聞こえてきそう



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