アイスクリームの美味しい食し方
私の頭に走馬灯のように
新が浮かんだ。

冷たい笑顔の新。
迎えにきてくれた新。
ノートを渡してくれた新。
私を抱きしめてくれた新。
海の底から引き上げてくれた新。

本当だ。
私は馬鹿だ。

溢れてたのに。
こんなにも。



頭を抱え込むように
地面につけた。

「何が、今更彼女になれる?ですか。」

小さく唸るようにつぶやいた。



「彼女なんかで
言い表せるわけない。

もっと、もっとだろ?こんなの。
めちゃくちゃにだろ?

…っ。うっ。
言葉で立場で
理解してくれるならいくらだって
言ってやりますよ。」


私はその時、
どれだけ新を傷つけたか分かった。

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