アイスクリームの美味しい食し方
「彼が忘れられず、
日本に帰ってくる度に
彼を追い回したわ。

遠くから見てうっとりしたり、
彼の持ち物を盗んだり、
家に侵入したり、
恋人がいないか探偵に調べさせたり…」

お姉さんはうっとりした表情を浮かべた。

「…お姉さん、それ犯罪…」




「なのに、いつでも宗次郎さんは、
おかえりって優しく私を抱きしめてくれるの。

疲れたでしょうって。
ゆっくり眠りなさいって。」

私は胸の奥がツーンと痺れた。

だって、
あんまりにも切ないんだもの。


どこかで無くしたパズルのピースを探して、
世界中を旅してるみたい。

好きなのに
どうやったら伝わるの?

自分と同じくらい
彼に私を好きになって欲しいのに
その方法が分からない。

「…なんで、
チカちゃんが泣くの?」


私も同じだから。



好きすぎて
つらい。




「…あ、
チカちゃん、それ

お酒…」



私は、新の熱や感触を
思い出そうとした。
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