アイスクリームの美味しい食し方
これは、あの日、
私が地面に叩きつけたものだ。


多分。


最初は泣いてて気づかなかったが
ハンバーグが入っていた
お弁当箱の包みの中に入ってた。

痛々しくも
羽根がぽっきり折れていた。



彼は、何故、
嫌な思いをしたこのクッキーを
持ち歩いていたのだろうか。


最初は戒めのつもりだったが、
いつしか、
それを見るたびに、
きっといいことがある、とか
いい人も絶対いるんだ、とか
言われてる気がして、
励まされるようになっていた。


「不満はないんだよ。本当。」

私は潮風を思い切り吸い込んだ。

水面はキラキラしていた。

明日もいい天気だ。


「日が長くなったなー。」

私は独り言を言って
防波堤から降りた。
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