ますます監禁されますが、お仕事です

ーー

とりあえず、彼をなだめる。

夜に壁ドンかーらーのー、ベッドドンするからとのことで、彼は了承してくれた。

で、話を聞いてほしいという後輩くん。私もいていいのかと思ったが、女性にも聞いてほしいとのことで、リビングにいるわけだが。

「オレと彼女、すっげー相性良くて、もう付き合って二年目なんですけど。最近、彼女との間に溝みてえなのが出来ましてー」

「別れろ。そうして、君は飛び降りろ」

アドバイスを死に直結させる彼の口にバッテンマスクをかけておく。

「続けて、後輩くん」

「浦戸っす。彼女のこと、マジで好きで、どんなワガママも聞いてきたんですけど、辛くなってきて……。で、そのことを昨日、彼女に言ってみたんですが、案の定怒って、そのまま、音信不通になっちまったんです。こんな結果になるなら、オレが堪えれば良かったのにって、ほんと思います……」

それは両思いではなく、浦戸くんの片思いに近い関係性だ。恋人とは言い難いけど、二年も一緒にいれば、そこには少なからず彼女側にも情があるだろう。

こういった場合は、日を置くに限る。
昨日今日では怒りが収まらず、彼女も冷静な話し合いには応じられない。

彼女との関係性を続けたいなら、今後のことも含めて話せる時まで待て。アドバイスとしては、これだろう。

「堪えれば良かったんす。ーー鞭とか、蝋燭とか、木馬とか、どんな仕打ちにも堪えられるけど、イチヂクはダメだって女王様……」

「はい。路線変更ー!」


※真剣なアドバイスからの、お前さっさと帰れ路線に切り替えました。

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