愛のカタチ
二人とも、銀杏並木をとぼとぼ歩きだした。
正面に見えるのが本校舎。
右側の二階建の白い建物が体育館と武道館。
左側が歴史ある図書館。
「全然、変わってないねぇ。懐かしいなぁ」
「あぁ。お前もな」
と、頭をポンと叩かれた。
……ドクン。
「何、するのよ!少しは綺麗になったとか、大人っぽくなったとか、ないの?」
照れ隠しで、おどけてみた。
「そうだな」と言ったきり、賢司は押し黙ったままだった。
……賢司?