愛のカタチ


暗闇に舞い上がる細い煙が、漆黒の空に吸い込まれていく。


その先には、真ん丸のお月様が顔を覗かせている。 


なんだか、意味もなくドキドキしてしまって、それを隠すように口を動かし始めた。


「高校に来るなんて、すごく久しぶり!」


「俺もだよ」


「てか、実は、卒業してから初めてなんだ」


「そっか……。俺は留学のあと、大学に編入するときに卒業証明書を取りに来たなぁ。あれ以来だな」 


「そうなんだ」



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