愛のカタチ


「よっ!お二人さん、こんなとこで何の相談ですか?」


すでに、酔っ払い状態の上野くんがフラフラと私たちに近付いてきた。


上野くんも元サッカー部員だ。 


「お前、ホント酒弱えなぁ。もう少し鍛えとけよ!」


「俺は、全然、酔ってないから!賢司こそ酔っ払ってんじゃねえの?」


「バーカ!お前もさぁ、いい加減ガキじゃねぇんだから、もう少し飲み方考えろよ!」


二人のやり取りが可笑しくて、思わずクスッと笑ってしまった。 


「コラッ!そこ、笑うな!」


またしても、デコピンで攻撃された。 


「痛ーーっい!!何すんのよ!」 


「そうだよ!おまえ、何すんだよ!俺の可愛い真理ちゃんに!」


「バーカ!なんで、真理がお前のなんだよ!」


「―…痛っぇな!賢司こそなんなんだよ!」


あの頃のように、じゃれあって、楽しかった。


18歳のセーラー服の頃に戻ったようだった。 



< 94 / 304 >

この作品をシェア

pagetop