幼なじみが、先生で。
蒼ちゃんのお母さんの声は柔らかくてとても優しい。
心にじんわりと響くとそんな声だ。
「えっ、でも迷惑じゃ……」
「そんなことないわよ、どうぞ上がって」
久々に来たのに上がり込んで待ってるなんて流石に失礼な気が………。
でも、蒼ちゃんの部屋かぁ。
…………ちょっと……いや、かなり入ってみたい。
「じゃ、じゃあ!お言葉に甘えてお邪魔します!!」
余裕で欲に負けた。
蒼ちゃんの部屋なんてめちゃくちゃ入りたいに決まってるもの。
蒼ちゃんのお母さんに案内されるがままに家の2階へと進んで行く。
昔とあまり変わらない家の中は懐かしい匂いがする。
蒼ちゃんの部屋の場所も昔と変わっていなかった。
「ここが蒼の部屋よ」
ガチャリと部屋のドアを開けて、1番最初に目に飛び込んできたのは積み上げられたダンボールの数々。
「戻って来たばかりだからダンボールだらけでごめんなさいね」
「あっ、いえ全然大丈夫です……!」
「じゃあ、ゆっくりしていってね」
「はい!ありがとうございます」