\ 王 子 物 語 /
――実は僕はこの時、少し恋に悩んでいた。

 小2までイギリスに住んでいたのだが、そこで好きになった子がいた。

 かわいくはなかったけど、優しくもなかったけど、陰キャラだったけど、ミステリアスで好きだった。

 その子はシオンという人だった。

 シオンを好きでいるのか、他の人を好きになろうか、と年齢に似つかわしくないことを考えていた。

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