\ 王 子 物 語 /
そのまま半年以上が過ぎ、5年生になった。

 この頃から、僕は、中学受験にむけて本格的に勉強を始めた。

 5年生で最初になった席は、僕(棚田あやて)の前があの田中愛知だった。

 名簿順でそうなっていた。

 元々相性がよかったのか、何年も付き合ってるみたいに仲良くなった。

 毎日遊んで受験勉強を怠ることも多くなった。

 元々、9人いる兄弟の中で1番頭が悪い僕はこっぴどく父にしかられ、5月いっぱい学校に行く前も帰
ってきてすぐも、家庭教師(HT)を泊り込みにさせて勉強をさせるといった。

 部活の朝練もダメで、放課後の部活も出させてもらえなかった。

 愛知と遊べる時間がなかった。

 学校の5分10分の休み時間や授業中にも父やHTから出されていたテキストや課題をやっていた。
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