秘密と記憶が出会うとき
水野の仕事はそれからがけっこう大変な状況に陥っていった。

ちょっと目を離すと、2人は抱き合ってキスをかわしている。

朝、仕事や学校に出かけるときも名残惜しそうな態度に水野は運転手をけしかけることがしばしばだった。



そしてとくに休日には、2人はお弁当持ちで手をつないで、海に山に・・・街にと・・・仲良く出かけてしまうので、水野は部下に監視役を命じなければならなくなったほどだった。



「ねぇ、祥子の結婚式って卒業式の翌日だよねぇ。」


「うん、そのつもりだけど・・・そのあと新婚旅行に行っちゃうとね、卒業旅行に行けなくなっちゃうの。
それでね、雪貴さんに相談したんだけど・・・そしたら、卒業旅行の現地まで私を送ってくれるって。
そしたら、行きの電車には乗れないけど、夜は楽しめるでしょ。」


「ほんと!やったぁ。でも祥子は疲れないかなぁ?
旅行の疲れとかあるんじゃ・・・。」


「若いから大丈夫よ。それに温泉でしょ。
海外からもどってきたら最高の癒しじゃない!」


「すごいね。やったぁ!!」



と、予定はそうだったのだが・・・現実は・・・卒業時には祥子は妊娠5か月に差し掛かろうとしていた。


「というわけで、卒業旅行は俺もついていくからな。」


「ひどぉ~い。雪貴さんは最初からそれ狙ってたんでしょ!」


「そんなことはない。そんなうまくねらってできることでもないしな。
これも神のみぞ知るだ。
予定通り、結婚式と披露宴をやったらタイのハネムーンに行って、ゆっくりしよう。
それからもどってきたら、温泉で癒されような。」


「それは私の予定でしょ。雪貴さんは部下たちと遊びにいくつもりのくせにぃーーー!
悔しい!!!」


「怒らないでくれって。俺は同じ家で祥子と暮らしている以上、何も求めないなんてできないって言っただろう?」


「でも、雪貴さんは先生なのに・・・。」


「違うぞ!俺は雇われの身ではない。経営者だ。
つまり、卒業を待つ理由はない。」


「そんなこと言って・・・教育者がきいてあきれる!」


「あきれてくれ!祥子を愛することに10年以上はもう待てなかったんだ。
旅行も、お産もいっぱい俺を頼ってくれていいぞ。

全スタッフ用意してかまえておくからな。」


「もう・・・なんて人なの。
でも、うれしい・・・。」


「そうか?とにかく、行けるとこまでいっしょに行こう。
ずっとずっと楽しくだ!」


「ええ。」




秘密と記憶が出会うとき・・・・・END

< 47 / 47 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

想いはトクベツよ!
雪涼/著

総文字数/20,675

恋愛(ラブコメ)20ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
坂梨シエナは18歳。 つい最近高校を卒業したばかりだが、大学の受験日を間違えたために頭の中が真っ白状態だった。 そんなとき、坂梨家の政略結婚をする予定だったシエナの姉のナスノの最後のわがまま話をきいてあげる約束をしたのだった。 「シエナごめんね・・・私の婚約者が作った薬はあなたにあげる・・・ステキな奥さんになってね。」 姉の言葉がだんだん遠くで聞こえる。 ステキな奥さんはおねえちゃんじゃないの・・・? 意識がもどったとき、シエナは教会にいた。 それもウェディングドレスを着て・・・。 「やっと目覚めたね。俺にすべて任せてくれればいいから。」 (えっ・・・何いってるの?この人・・・?) シエナが目覚めたとき、そこは知らない家の中であり、笑顔のイケメンが立っていて。 「今日から君は俺の妻だ。よろしくな。シエナ。」 シエナは頭痛で頭をおさえながら、自分の記憶をたどってみる。 (わからない・・・どうして?誰なの?あなた誰?) 「俺は高井 司。会社を経営している。 坂梨家の当主から、妹を嫁にと話を持ち掛けられた。 相手が俺でも気にならないようにって薬を調合してあげたのに・・・妹と交代するなんて、賢いお姉さんだ。」 (おねえちゃんの・・・婚約者が私の夫ですってぇ・・・) 初めて会ったその人のことを何も知らないまま、新妻になってしまったシエナの運命はどうなってしまうのだろうか?
守られるのは卒業よ!
雪涼/著

総文字数/77,910

恋愛(純愛)64ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
舞台はシューカウリという大国家でのお話。 主人公のマリカの家は代々、騎士を名乗る家柄だったが、あるとき、隣国であるターニブリが突然、魔法使いたちに攻め滅ぼされるという事態となり、シューカウリもとうとう戦闘に巻き込まれることになってしまった。 シューカウリの人々は魔法は使えないのが一般的だったため、あっという間に攻めてきたリオレバの軍に敗戦してしまった。 マリカは5人兄妹の末娘だったが、父と兄は戦死して、姉たちも農家へと疎開したが、それからのち、敵軍の兵におちないために、農家へそのまま嫁いで農家の嫁となっていた。 しかし、末娘のマリカは小さかったため、難をのがれて田舎へと移り住み、そこで父の部下だった者たちと暮らしていた。 そして、シューカウリは新しい王のもと、だんだん平和を維持し始めて、民たちもだんだん普通の暮らしをするようになった。 しかし、それは表向きの形だけの世界。 じつはリオレバの軍の指揮官以上の者たちは、魔道にすぐれており、ただの騎士ではなく魔法騎士だったのだ。 戦争のさなかは大活躍をみせ、それぞれに褒美をもらっていた一族も多かったが、年数を重ねてくると、魔道の力でもって悪行ばかり重ねるものも出てきた。 そんな世の中で、魔道の力を持たない者であっても、対抗する力を何か身に着けてがんばる若者たちが世に出てくる。 そして、マリカも少しずつだが、力をつけるのだった。
抱えきれないほどの花束をあげよう!
雪涼/著

総文字数/123,302

恋愛(純愛)93ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
高瀬敦美17才・・・現在高校2年生。 2年前高校に上がる前に母親がお金持ちと結婚した。 連れ子の敦美は母の夫の家に住むはずだったが、母の夫にも2人の息子がおり、 敦美の母親の万須美は夫の隆造に風紀上の問題があると理由をつけて 敦美を学校の女子寮へいれることにする。 新しい家族で大きな家に住むのは嫌だった敦美だったが、 ひとりぼっちで寮の部屋にいるのもさびしくなって涙があふれてきた。 そんなとき、学校で噂になっていたご近所サイトについアクセスしてしまう。 「出会わなければいいんじゃない。さびしさをまぎらわせるだけの言葉上手なネット彼氏がいれば さびしくないのかもしれないわ。」 そして・・・敦美のところにメールを送ってきたラッキーというハンドルネームの男。 人懐っこく敦美のことをあれこれと知りたがる。 最初は面食らった敦美だったが、ラッキーはやりとりしている間に優しい言葉をかけてくれる人なのだと理解する。 ラッキーは必ずメールの終わりに「ジョディに抱えきれないほどの花束をあげよう!」で締めくくってくる ロマンチストだ。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop