もう一度、恋をしよう。




叩かれた右頬がヒリヒリと痛むけど、俺が真央に負わせた痛みに比べればなんてことない。


美桜には嫌われたくないくせに、真央には嫌われてもいいと思ってるなんて矛盾してるな。


茜色に染まった空を眺めて深い溜め息をついた後、ズボンのポケットに入っているスマホの電話のコール音が鳴った。

スマホを取り出して画面を見ると“美桜”の文字。




「なんつータイミングだよ…。」




脈打つ心臓の音がだんだん大きくなる。スマホを持つ手も震え始めた。




「……もしもし。」




俺はなるべく平然を装って電話に出た。
昔から美桜と電話をする時は緊張してしまう。




『あっ、大和!久しぶりー!!』




数週間ぶりに聞いた美桜の声は、俺の心にじんわりと染み渡るような感覚がした。




「…あぁ。久しぶり。」




『ちょっと何その態度っ!せっかく電話してあげたのに!!』




電話越しに怒る美桜の声が聞こえて口元が緩む。頬を膨らましてる姿を想像したら可笑しくて。
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